公募シンポジウム

公募シンポジウム1 「ゴキブリ研究の現在と将来」

12月2日[土]3:45pm – 5:45pm
大阪大学会館・講堂

  • オーガナイザー
    渡邊崇之(総合研究大学院大学)、西野浩史(北海道大学電子科学研究所)、水波誠(北海道大学電子科学研究所)
  • 概要
    夜間台所に出現するゴキブリは嫌われ昆虫の代表格であるが、夜行性のために嗅覚が著しく発達しており、ワモンゴキブリなどは匂い受容の神経機構を調べるモデル昆虫として用いられている。ゴキブリは、集団生活、細菌との共生などのユニークな生態を持ち、中には子育てをする種や、真社会性を獲得したグループ(シロアリ)もあり、行動生態学や進化生物学の材料として重要である。さらに大型で頑強なゴキブリを「サイボーグゴキブリ」として災害現場での情報収集に活用しようとする試みも始まっている。本シンポジウムでは「ゴキブリ研究の現在と将来」と題し、肩のこらない形で、ゴキブリ研究の面白さやゴキブリを用いた最先端の研究の現状について各演者に発表していただき、その将来についての議論を深めたい。
  • 演者・演題
    1. 大崎遥花(ノースカロライナ州立大学):クチキゴキブリのオスとメスを巡る珍妙な行動生態学
    2. 立石康介(関西学院大学):ワモンゴキブリの性行動における2種類の性フェロモン処理機構の役割
    3. 渡邊崇之(総合研究大学院大学):昆虫嗅覚系進化学研究への誘い ~ゴキブリ科昆虫性フェロモン受容機構を題材に~
    4. 梅津信二郎(早稲田大学):サイボーグゴキブリ研究の現在と将来

公募シンポジウム2 「原生生物が魅せる巧みな生命現象の世界」

12月3日[日]0:30pm – 2:30pm
大阪大学会館・講堂

  • オーガナイザー
    十亀陽一郎 (福島工業高等専門学校)
  • 概要
    原生生物は、たった1細胞で生命活動の全てを営む単細胞生物である。その細胞構造や生命現象のしくみは、多細胞生物のそれらと比較して単純であると思われている。しかしながら、実際は我々の想像をはるかに超える巧妙な仕組みを進化させ、多細胞生物以上に多様な環境を逞しく生き抜いている。そのしくみを理解することは、生物学と生命進化の本質に迫る重要な知見を含んでいるであろうと思われる。
    本シンポジウムでは、原生生物が魅せる多彩な生命現象を取り上げる。前半3講演は、原生生物のなかでも特に細胞が高度に発達した繊毛虫類の細胞における環境応答、細胞制御と行動、そして有性生殖について紹介する。後半2講演では、他生物との生物間相互作用にも視野を広げ、シロアリと原生生物の共生、トキソプラズマの感染成立機構について紹介する。これらの原生生物が魅せるユニークな生命現象とそのしくみを比較生理生化学の視点から広く議論することで、生物学と生命進化の本質に迫るための一助としたい。
  • 演者・演題
    1. 十亀 陽一郎(福島工業高等専門学校):繊毛虫Colpodaの休眠シスト形成
    2. 西上 幸範(北海道大学 電子科学研究所):繊毛虫Tetrahymena pyriformisの走流性メカニズム
    3. 明松 隆彦(日本大学):繊毛虫テトラヒメナの有性生殖における核選択の仕組み
    4. 北出 理(茨城大学):シロアリ共生原生生物の群集組成・形態・運動の進化
    5. 永宗 喜三郎(国立感染症研究所):寄生性原生生物Toxoplasma gondiiによる宿主細胞機能ハイジャック機構の解明